「自分の仕事の相場を決めるにはどうしたらいいのか?」【あんちょこ通信6】角田陽一郎×加藤昌治
あんちょこ通信 第6回
■結果だけではなく、そこまでの過程をどう見せるか
加藤:さらに云うと、「過程を見せる」ことも大切ですよね。成果を認めてもらえるとして、そこに至る過程が言語化されていると、「なるほど、こういうふうに考えて、こういうアウトプットを出す方なんですね」と相手が理解してくれるから、また違う「知ったもん」が増える。
角田:そうだね。
加藤:質問者の方は「アートディレクター」とのことだけど、アートとかビジュアル的なものって、中には「パッと思いついたんですよね」的なことを云う人がいて、誤解されてる部分もあると思うんだ。
角田:だから「「パッと」だからギャラはこれだけでいいですよね」みたいに言ってくる人っているよね。
加藤:でも実際には、そこに至るまでに結構考えたから、その結果が出てるわけだ。
「こういう発想ができるようになるまでには、こういう修業を積んでるんですよ」ということを嫌らしくなくお伝えすることができれば、相手もその価値が分かるのかな。
角田:ピカソだったと思うけど、あるカフェで店員さんに「何か描いてください」と頼まれた時、ナプキンかなんかにピロっと描いて「これは何万フランだ」みたいに言って、相手が「ナプキンに描いただけじゃないですか」と言ったら、「ここに至るまでに積み重ねがあるんだよ」って答えたっていうエピソードがあったよね。
加藤:だから「アウトプットだけ見せてるのは実は損かも」という気もします。
角田:そうだよね。だからやっぱり結果だけじゃなくてプロセスを見せていく。『仕事人生あんちょこ辞典』でも「履歴書」の項目はじめ何度か書いてるけれど、これが基本的にいろんなことの解決策だと思うな。
(構成:甲斐荘秀生)
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